3月賞与の社会保険料

保険料

新年度の保険料率

この前雪が降ったと思ったら、このところ急に暖かくなってきました。暖かいのは嬉しいですが、変化が激しいと頭がなかなかついていかず、無駄にマフラーとかを巻いて外出してしまい暑い思いをしたりしてます。

さて、協会けんぽや健保組合からは、すでに新年度の社会保険料率(健康保険料率と介護保険料率)が公表されていますね。また、厚労省からは、新年度の雇用保険料率が発表されています。

全国健康保険協会「都道府県の保険料率」
厚生労働省「雇用保険料率について」

この新年度の保険料率は、社会保険の場合「3月から」、雇用保険は「4月から」なんですよね。
1か月ずれているわけですが、社会保険料は「翌月の給与から控除」が一般的です。一方、雇用保険料は「給与を支払う都度その支給額に応じて控除」なので、結局、どちらも4月給与から保険料率が変わるということになります1

賞与の社会保険料率はいつから変わるか

しかしながら、賞与の場合は話が変わってきます。

賞与に「翌月控除」という考え方はありません(毎月払ったら賞与ではないですからね)。
賞与の場合、社会保険料も、「支給の都度その支給額に応じて控除」となります。雇用保険料と同じです。

だから3月に賞与を支給する場合、新年度の保険料率で社会保険料を計算しなければならないわけです。一方で、3月の給与から控除する社会保険料は2月分ですから、従前の料率のままです。

これが、間違いやすいところなんですよね。普通、給与計算はソフト(アプリ)を使うじゃないですか。たぶん多くのソフトでは、給与の社会保険料率と賞与の社会保険料率を別々に設定しません。だから、3月は給与計算の時と賞与計算の時で、社会保険料率の設定を変更しないといけないわけです。これ、うっかり忘れがちです。

3月に賞与を支給しなければこういうミスのリスクはなくなるわけですが、給与計算の都合で賞与の支給時期が決まるわけじゃありません。実際のところ、3月賞与の会社はけっこうあるんじゃないかと思っています。

間違えたらどうするか

うっかり3月支給賞与の社会保険料を従前の社会保険料で計算し支給してしまったらどうするか。過不足を個別に清算するという方法がいちばん正しいでしょうが、かなり面倒です。4月支給給与の社会保険料で調整するというのが現実的でしょう。ただし、もし退職して4月以降に給与が支給されない人がいたら、その手は使えません。


(注)

  1. 社会保険料を「当月控除」にしている事業所の場合、3月支給給与から新料率を適用することになります。一方、4月に支給される給与の締日が3月である場合、4月支給の雇用保険料は従前の料率で計算します。 ↩︎

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