労災保険料を払っていないと、労災の給付を受けられないのか

先日、顧問先の総務の人が、電話をかけてきました。

「うちのアルバイトの人って、労災保険に入っているんですか」

生命保険会社の営業の人が来て話をしているうち、アルバイトの人が労災に入っているかどうか、わからないことに気づいたのだといいます。

「もちろん入っていますよ。保険料もちゃんと払っています。私がそう申告していますから」
「入っていない人っているんですか」
「役員の方ですね。労働者はみんな入っています」

労災保険には加入手続きがない

詳しくご存知ないのも無理はないのかもしれません。労災保険には雇用保険や社会保険のような、資格取得手続きというものがないですし、給与からの保険料の控除もありませんから。

実際には、労働者であれば正社員であろうとバイトやパートであろうと、原則、全員が自動的に労災保険の適用対象になっています。労災保険の適用がないのは、国の直営事業など、ごく一部の事業に限られます(2026年1月現在)。

労災保険料は、全額が使用者(事業主)の負担です。

保険料を納付していなくても労災の給付は受けられる

ときどき、会社が労災保険料をちゃんと納付していないので、労災保険に入っていないのだと勘違いする方がいます。

保険料を払っているかどうかと、労災保険の対象になっているかどうかは関係がありません。会社が1円も労災保険料を払っていなかったとしても、労災事故に逢った労働者は、労災保険の給付を受けられます。
(そして、労災保険料を納付していない事業主には、未納の労災保険料ばかりでなく、延滞金や、給付額の40%相当額を限度に費用が徴収されます。)

もし業務中や通勤中に災害にあって、会社が「うちは労災に入っていない」といって取り合ってくれないようなときは、管轄の労基署に相談されることをお勧めします。いきなり労基署に行くのが不安な場合は、まずお近くの社労士にご相談ください。

最初の話に戻りますが、お客さんに労災のことをちゃんと理解していただいていなかったのは、僕のミスですね。もちろん、改めてきちんとご説明させていただきました。

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